肛門(膿腺)絞りについて
グルーミングにおいて医療とのグレーゾーンは数多くありますが、肛門絞りについてもグレーだと考えているトリマーさんはどれくらいいるでしょうか?
あ、いや別にグレーですって言っているわけじゃなくて、自分はグレーだと思っているというか、思っているだけならブラックだと思ってます。
耳掃除ですらアウトですし、肛門絞りは内分泌系をいじくるわけでしょ?完全にアウトだと何の証明もなくただ思っているんです。
トリマーがやるのが1番理にかなってはいますよね。くっっっっっっっっっさいもんが出てきますから、洗う時にやれば綺麗になります。
でも、もしその肛門腺が感染を起こしていたら?尋常ではないレベルで嫌がる、防衛に走る犬もいます。ただ嫌なのか、病気のサインなのか。それによって前者ならトリマー、後者なら獣医が適任かと思いますけど結局内分泌系をトリマーがいじくるのはどうなの?って所で自分は獣医がやるべきというか獣医にしか行えない部類ではないかな?と思っています。
耳掃除ですらトリマーがゴシゴシやれっていう獣医さんがまだまだいる中、肛門絞りまでも医者の分野でしょ?と言ったら反発もありそうですけど、疑問に思うということはそれなりに種火があるということで考えるべきだと思うんですよ。
もしも間違っている(トリマーが絞ることが)なら正すべきですし、今まで通りが正解ならそれで良し。
自分は今のところは絞りますけど、完全にきっちりはしません。言ってしまえば完全にやり切るべきものが無いというか...
ご来店頻度が少ない方に多いのですが、爪切りを血管ギリギリまで切ってくれ、耳毛は無毛になるまで抜いてくれ、肛門腺は最後の1滴まで絞りとれ、足の裏の毛は脱毛剤を使ってくれと言わんばかりにどれもゼロにしてくれの注文があります。
血管ギリギリまで爪を切ると周りの組織が出てきて保護されなくなります。
耳毛は言わずもがな汚れを排出するため、入りにくくする為に存在してますし抜くなんて地獄の痛みと毛穴の感染症を引き起こします。
足裏の毛があるからこそトゲが刺さらずに済んでいた子も多くいます。
肛門腺も同じく、きっちり絞ろうとすればいくら(握らずに)圧迫で押し出していても出るもんが出切ったら握ってるのと同じ。犬は嫌がり、トリミングとは苦痛であると認識します。
どれもこまめに少しのお手入れを繰り返すことで見た目よく、利便性が上がり、犬の負担が減るとなりますので、トリミングは「事後対処」ではなく「予防」で使うものだとの認識を広めなければなりません。
その為には、きちんとトリマーとして「こういう理由だからです」と言えるものがなければなりませんから、まずは勉強ですね。