dhfruitsの店長の素直な考え

お客さんと話す上では、相手のことを考えた発言をすべきです。でも、そこで伝えきれない本音もたまーにあります。そこまで含めて書くためのブログ。

トレーニング編④

『犬が好きの気持ちは同じでも』

 私、一度言われたことがありあす「貴方本当に犬が好きなの?」って。飼い犬の誕生日もざっくりとしか覚えてません。で、そう言われました。犬を挟んで話している時に撫でたり抱っこしなかったことも原因かもしれません。

 

 犬が望んでないことや、無益ならまだしもマイナスになる事をしてそれが愛情と言われれば、私は愛情が無い側になります。

 しかし、その犬のために何をしてやるか、しない方がいいかを考えて与えることが何よりの愛情だと思っているので、年齢はある程度分かればそれでいいし、撫でる場面でないのに撫でることもしませんし、抱っこされたくないのにするなんてこともしません。

 

 その代わり、犬が喜ぶ遊びやコマンドを与えて、しっかり褒めてやります。仕事に出たり休日も勉強のためにサロン巡りしていた下積み時代を過ごしていましたから、自分に依存しないように自立させることが何よりの愛情だと思ってそうしてきました。

 

 常に与えるではなく、本当の意味で愛情を込めて与える。それが、お銀が専門学校の講師時代に、学生からも先生たちからもみんなに好かれて撫でられて穏やかに過ごせた理由だと思っています。

 

 二つ程例を挙げてみます。どう思っても正解も間違いもないと思いますが、出来れば「犬にとっての最善は」ということを念頭において考えてみてください。

 

①しつけ教室

しつけ教室で、訓練士を常駐させていた時、その訓練士は入ってきたお客さんに顔を合わせることも、挨拶をすることもせず、何もせず後ろを向いて本を読んでいます。

 

さてどうでしょうか。これは、「無の証明」です。そんな言葉があるのかは知りません。

ただ、社会化されていない犬にとって、初対面の人間に向かい合って声を出されたり、両手を広げて甲高い声でカワイイ!なんて言われたら怯えてしまいます。

ですから、私が犠牲となって接客にあたり、その間訓練士は「完全に空気になる」に徹しています。

犬が存在に気づき、自分に注意を向けないことで安心感からのスタートを可能にします。

 

②撫でろ

「おたくのせいで怪我をしたんだ。謝れ。撫でて詫びろ。かわいそうだろ」

もうご利用も無いでしょうし実話をもとに例文にさせてもらいます笑

 

社会化のしゃの字も無い子で、触れるだけマシな子。

トリミング前後のボディチェックも欠かさず、常に吐くほどの緊張状態でしか居られない子に育てられてしまった子。

その日も怪我なく、可能な限りのトリミングをしてお返しして、その後です。

きっと常に張っていた筋肉が緩み、そして好発性の高い性質から、お迎えのあとに暴れて筋を痛めたのでしょう。

そして後日お店に来て「」の言葉。

 

はやりに乗ってティーカップナントカ(という、存在しない犬種名)に極小化され、体も弱く、そして自立させない飼い方により生きていることのほとんどを恐怖というストレスで生きるしか出来なくなってしまったかわいそうな子。

 

なんとか少しでもミリでもナノでもリラックスしてトリミングしてあげたい。怪我をするくらいなら仕上がりを10%落としたって構わない。下手と言われても構わない。そうして接してきたのですが、買い方から飼い方までそのような状態ですから、伝わってなかったんですね。

 

そこにきて怯える愛犬をこちらにグイっと押し出し「かわいそうでしょ!撫でて詫びろ!」と。その子にとって例え何度もトリミングで接した相手であっても慣れる事のないほどの視野にされてしまった子。

 

そう分かっていながらお客さんのご機嫌取りのために触るわけがありません。

トリミング後も普通に歩けましたし、全てお断りし、帰っていただきました。

 

こちらはどうでしょうか。

商売人であれば、間違ったことでも謝罪してその後も売り上げのために付き合うべきでしょうが、私は商売をするつもりは全くないとお手紙に書いた通りです。

 

その犬にとってなにが最善かを考えて行動して、理解してくれる方と付き合う。

その難しい技術を提供して料金をいただくだけです。

 

別の件では、明らかに当店の未熟なスタッフに任せたがために起こった怪我ではきちんと補償と謝罪はしましたが、この方の場合は全てが相いれない犬への考え方でしたから、一切譲らずに対応させていただきました。

 

犬にとって何が最善か、人間目線で見ては絶対に正解にはたどり着けません。

愛情とは、みてくれのことだけでなく、言葉でもなく、犬が分かるように犬に伝わるように伝えてやる事が大切だと私は思います。

 

決して他人ウケのために無理はしません。

私は、誰からどういわれようが、犬のことが本当に好きです。